本:里山を創生するデザイン的思考

雑誌「自遊人」を手がけ、里山十帖という旅館まで開業した岩佐十良氏によるもの。

新潟にオフィスを移したこと、そして、偶然の紹介から、新潟県の魚沼に、もともとあった旅館を経営することになったこと、その旅館開業までと高い稼働率をどのように実現したのかという話。

地元の人では気づけないその土地の良さ(東京からのアクセスや豪農の家、実は良かった景色など)をきちんと見出し、磨き上げること、そしてぶれないコンセプトを持つことで12室とはいえ、高い稼働率を誇る旅館へと再生させた。

「現実社会とデータの反復検証」。どんなデータでも質問の仕方やその解釈等、個人的な考えや価値観が必ず入ってしまう。先にデータを見て仮説を立てるのではなく、仮説を立ててからデータを見る。むしろ、データは大局を見ることには役立つかもしれないが不要かもしれない、とまで言い切る。

自分自身の中にいくつもの価値観を存在させて、多重人格的に体験し、どんなタイプの人から共感を得られるのか、自分の中で複数の検証を行う。あらゆる人格を憑依させて、最大公約数の嗜好を探る。共感を得られそうな複数の人格を想定し、共通して共感を得られるような要素を探る。

こういった部分は、良く言われていることかもしれないが、改めて日々自分がどこまで出来ているか考えると恥ずかしい限りかも・・・。