会社:日本環境設計

日本環境設計という会社をご存知だろうか。
名前がやや古そうな印象を与えるが、まだ設立から10年も経っていない若い会社である。
この企業は、綿からエタノールを生み出すことに成功し、この数年で数億円規模の資金調達にも成功しているリサイクル業界で注目を集める会社でもある。まだ社員は20人にも満たない規模のようだが、会社ホームページにも採用の字は見当たらない。焦らず、じっくりと経営していく方針なのだろうか。
リサイクルというと、そのリサイクル技術や廃棄物といったイメージを抱くことが多いが、この会社は、一般の消費者がどうやったらリサイクル活動に乗っかってくるのか、消費者中心で考えている点がユニークに感じる。また、無印やパタゴニアなど、イメージの良い会社と組むことで、自社の、ひいてはリサイクルのイメージを向上させようとしているようにも見受けられる。
また、創業者が書籍を出している点も認知度やイメージアップにおいて大事な要素かもしれない。

小説:偽りの王子

カーシア国物語の第1作。ハリウッドでは映画化の予定あり、とか。

孤児の少年セージを主人公とする物語。第1作「偽りの王子」は、王家が暗殺されたことによって次期国王をどうするか、国王を支えた側近達の思惑が絡む(とされる)中、海賊に襲われて殺害されたと考えられていたジャロン王子が実は生きていた、として、自分が意のままに操れる存在を偽の王に仕立て上げようとする貴族コナーと彼の計画に巻き込まれた、意のままに操れる存在として、王子に似ていると考えられた3名の孤児、セージとローデン、トビアスが中心となって物語が進む。

容姿や性格がジャロン王子に似ているとされ、国中の孤児院から集められた3名は、短期間の間に剣術や知識を教え込まれ、最も王子として認められる可能性が高いとコナーに判断された1名のみが生き残ることができるという過酷な状況に置かれる。

性格や特徴も異なる3人、どこかで結託する瞬間がくるのかと思いきや、そこはある意味現実的に?、3人が一致団結することはなく物語は進む。

物語において特に大きな謎や秘密は存在しないが、テンポよく読みやすく、あっという間に読んでしまった。これは日本語訳のせいかもしれないが、ローデンのキャラクターがイマイチはっきりしなかった。ガキ大将キャラみたいな表記がどこかの紹介で見かけた気がするが、単なる運動神経が良いやつ、という程度の印象。

主人公のセージは、思ったことをズケズケと言うことができる一方で、誰よりも思慮深く、思いやりを持ち、運動神経も良いというズルい設定。人格者であり、暗殺された兄の存在はやはり霞んでしまうのではないか。「タッチ」でも完璧な和也ではなく、やはり達也の方が人気がある(少なくともヒロインからは)のはどういうことなのだろうか。やはりどこかにアンバランスさ、不安定さがある方が魅力的に映るのだろうか。

脱線したが、3部作というだけ会って、今度は彼が王になった後の物語が続く。

もちろんフィクションだが、魔法等のファンタジー設定はほとんどないので、実写化するのはすごくやりやすい、イメージしやすいのではないか。ただ14歳ぐらいが闘ってもいいのかは不明だが。(規制的に)

出し切る

思い切り思い切って、毎日毎日出し切らないと。オレの持ってる全部を毎日出し切らないと。だって、幸せじゃないすか。今までたくさんのプレイヤーがいたけど、きっと・・・ゴールについた人間は誰もいないんすよ。ゴールがない世界でずっとやり続けられるなんて、最高に幸せじゃないすか。それ以外のことは考えないっす。意味ないので。

by Blue Giant

フィクションの世界かもしれないが、毎日出し切ってる人とそうでない人の差は広がるばかり。どうしたら出し切れるのか、そこも難しいが、考えて、行動して、失敗して、たまに上手くいって、そういうことを積み上げていくしかない。

思ったこと

すごくバカっぽいが、襲名、というシステムは会社でも通じるのか。人の名前を冠したブランドはある意味そうなのかもしれないが、何代目社長というのではなく、仮に社長を父としたら(男性にすること自体前時代的であるがもののたとえとして)、何代目父ちゃん、みたいな。エグザイルはそうなのかもしれない。
ポスト創業者問題は、二代目〇〇、と、前創業者の名前を引き継ぎながらやってみるとどうなるのだろうか。二代目糸井重里、とか。NHKのPRさんはうまく代替わりしているのではないか。

建物:扇湖山荘

昭和9年に豪農の古民家を移築して完成した建物。わかもと製薬創業者の別荘。もともとは13万坪あったようだが、晩年、切り売りして1.5万坪程度の模様。
相模湾の眺めが圧倒的だった。天下をとる、とは違うかもしれないが素晴らしい眺めだった。鎌倉山は別荘地として昭和初期に開発が進められたようだがその中でも別格の存在らしい。築いた富を、一代で使い切ったと言われているのも頷けるような贅沢な感じ。
料亭や銀行と持ち主はかわり、現在は鎌倉市へ。年間の維持費は造園協会?との取り決めでほぼ金銭的な負担はなくできているようだが、これもいつまで続けられるかはわからない。やはり、こういうものの維持にはパトロンの存在が不可欠か。

人:福田利之さん

大阪出身のデザイナー、イラストレーター。
30歳手前でフリーとなり、現在に至る。スピッツのCDのジャケットや、ほぼ日新聞の企画などにも携わる。
淡いエメラルドグリーンの色やちょっぴり感じられるさ北欧らしさ、可愛さと毒っ気のあるタッチが特徴的。動物とヒトを描くことが多い印象だが、基本的には曲線の柔らかなフォルムに部分的に直線や角張りがあるため、甘ったるくならない、、、のかな?
ちなみに、福田さんもテキスタイル商品を出しているが、ミナペルホネン然り、こうした形は増えるのだろうか。
Junaidaさんの絵にも言えることだが、ぱっと見は可愛さや優しさがあるのだけど、良く良くみると、ちょこっと毒らしさ、寂しさが感じられるかもしれない。こういうものを好むのはノスタルジーと同じ効用なのだろうか。

小説:古王国記サブリエル

オーストラリアのベストセラー作家ガースニクス氏の代表作の一つ。

古王国を舞台とする3部作。サブリエルはその第1作。魔術の存在する世界において、ネクロマンサーの家系に生まれた少女サブリエル。父はアブホーセンと呼ばれるネクロマンサーで死霊達が冥界から現世に出てこないようにしたり、現世の平和・秩序を守る役目を果たしている(たぶん)。

この世界では、人は死んだとしても、冥界の9つの門をくぐり抜けない限りは完全な死には至らない。現世に身体が残っていれば、(死霊等の形でも)戻ることが可能。第4門あたりを超えると生き返るのは難しい様子。

また、死霊達がでる古王国の隣にある国は、自動車や銃もある、そこそこ近代的な国であり、サブリエルは安全面などからその国の女学校で育ったお嬢さんという設定。

ある日、父が来るはずの日に、父の魔術によってつくられた使いのみが来たことをきっかけに、父の身に何かトラブルが起きたことを察知したサブリエルは古王国に渡って父を捜す冒険を始める。

途中、ちょいちょい不要もしくは唐突すぎるロマンスが挟まれるが、テンポよく、物語は進んで行く。ゲームオブスローンズやハリーポッター、ソウルリヴァイヴァー等の設定がそれぞれちりばめられているような印象。ソブリエル自身は、人間性がもう少し増した掟上今日子というイメージ。

女性主人公に、魔法ファンタジー、よくつくり込まれた世界観などは映像化もできそうだし、ヒットしてもおかしくないと思うが、何かパッとしない点はあるのだろうか。それとも、クリエイターとの巡り合わせやタイミングが良くなかったのだろうか。